八軒家は大阪市中央区北浜東の天神橋南詰め、大川の南岸にあります。
このあたりは古くから大阪の水陸交通の要衝だった場所で、2004年世界遺産に登録された熊野古道の起点にあたります。
平安時代後期から熊野参詣が盛んになり、白河上皇や鳥羽上皇は鳥羽離宮(現在の京都城南宮あたり)で身を清め道中の無事を祈願した後、京を出立。
淀川を舟で下り、当時「渡辺津(わたなべのつ)」と呼ばれていた天神橋の南西あたりで陸に上がって熊野詣をしていたという事です。
このあたりが八軒家と呼ばれるようになったのは江戸時代のことです。
町名として使われなかった八軒家という名称は地図の上から消え、長い年月が経ちますが、地元ではこの河川敷を八軒家という名で呼び続けてきました。